眼内チモロールの吸収：治療された眼と対側の眼の水様液中の薬物濃度とβ受容体結合活性

著者: Ali-MelkkiläT, IisaloE, KailaT, SaariK M, VuoriM L

原題: Absorption of ocular timolol: drug concentrations and beta-receptor binding activity in the aqueous humour of the treated and contralateral eye.

概要

β遮断薬であるチモロールを、57人の患者の眼に局所的に塗布しました。治療眼におけるチモロールの濃度は、β1受容体とβ2受容体を完全に占めるのに十分な高濃度でしたが、未治療眼における濃度は低く、β2受容体の最大33%を占めていました。これは、局所チモロールが治療眼の圧力を効果的に低下させるが、血流への吸収による全身作用も起こる可能性があることを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

We studied the ocular and systemic absorption of 40 microliters of topical 0.5% timolol in 57 patients using radioligand binding techniques. The mean concentration of timolol in aqueous humour of the treated eye was 1.9 +/- 0.8 micrograms/ml 74 minutes after instillation of the drug. About 18 h afte...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

点眼薬チモロールの吸収と効果：目薬の奥深さを探る

点眼薬の吸収と効果について、本研究は、チモロールというβ遮断薬を用いて、その吸収量と眼内のβ受容体への結合能を調べました。研究の結果、チモロールは点眼後、眼内（特に角膜）に十分な濃度で存在し、β受容体を完全に占有することがわかりました。さらに、チモロールは、点眼された目の反対側の目にも少量ながら移行し、β受容体への結合も確認されました。これは、点眼薬が、局所的な効果だけでなく、全身的な効果も及ぼす可能性を示唆しています。

チモロールは、眼内だけでなく、反対側の目にも影響を与える！？

本研究は、チモロールが、点眼された目だけでなく、反対側の目にも、少量ながら吸収され、β受容体への結合も確認されました。これは、点眼薬が、局所的な効果だけでなく、全身的な効果も及ぼす可能性を示唆しています。まるで砂漠の風のように、点眼薬は、予想外の場所にまで影響を与える可能性があります。この結果から、点眼薬の服用量や頻度を調整する必要があるかもしれません。

点眼薬の副作用にも注意が必要！

点眼薬は、眼内への局所的な効果が期待されますが、本研究のように、反対側の目にも影響を与える可能性があります。また、点眼薬の成分は、全身に吸収され、他の臓器に影響を与える可能性もあります。そのため、点眼薬の服用量や頻度を調整する必要があるかもしれません。ラクダ博士は、点眼薬の服用前には、医師に相談し、安全に利用することが重要だと考えています。