広場恐怖症を伴うパニック障害に対するアルプラゾラムと暴露療法。薬物に改善が起因すると判断されたことは、その後の再発を予測する

著者: BaşoğluM, BrewinC R, KiliçC, MarksI M, SwinsonR P

原題: Alprazolam and exposure for panic disorder with agoraphobia. Attribution of improvement to medication predicts subsequent relapse.

概要

本研究は、アルプラゾラムまたはプラセボで治療された、パニック障害と広場恐怖症の患者における、治療成功の帰属（薬剤または個人的な努力による）と再発の関係を調べました。改善を主に薬剤の成果に帰属させた患者は、自分の努力の成果に帰属させた患者と比較して、治療の段階的減量とフォローアップ中に、より深刻な離脱症状を経験し、得られた改善が大きく失われました。この効果は、プラセボ群と比較して、アルプラゾラム群でより強かったです。病気の重症度、年齢、薬剤に対する期待などの要因は、帰属に影響を与えましたが、独立して再発を予測するものではありませんでした。

論文詳細　

原文の要約 :

Patients with panic disorder plus agoraphobia had 8 weeks of drug treatment (alprazolam or placebo) plus psychological treatment (exposure or relaxation). At the end of treatment at week 8, 40 patients who had become much/very much improved rated how much their gains were attributable to medication ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

パニック障害の治療：薬物依存と克服への道のり

パニック障害は、突然の強い不安や恐怖に襲われる病気です。本研究では、パニック障害の治療に用いられる薬物であるアルプラゾラムの有効性と、薬物に対する依存性について考察しています。

薬物への依存は克服できるのか？

研究の結果、アルプラゾラムはパニック障害の症状を改善する効果がありますが、薬物に依存してしまうリスクがあることが明らかになりました。特に、治療効果を薬物に帰属させ、自分の努力で克服したという実感を持てない患者さんは、薬物への依存が強く、薬を断つ際に強い症状が出ることが分かりました。つまり、パニック障害の克服には、薬物療法だけでなく、自分の努力による克服への意識も重要であると言えるでしょう。