手根管症候群の治療におけるピリドキシン。ランダム化対照試験

著者: AngelJ F, DesaiH B, DonatJ R, ReederB A, SpoonerG R

原題: Using pyridoxine to treat carpal tunnel syndrome. Randomized control trial.

概要

手根管症候群の患者32人を対象とした研究では、プラセボと比較して、ピリドキシン（ビタミンB6）の使用によるメリットは見られませんでした。電気生理学的検査や臨床的徴候、症状の重症度にも差はありませんでした。これは、ピリドキシンは手根管症候群の有効な治療法ではないことを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

In this study, we examined prospectively the effect of pyridoxine on idiopathic carpal tunnel syndrome. Thirty-two patients with the disease were randomized to receive treatment or placebo. No differences in outcome were found in electrophysiologic signs, clinical signs, or significant symptoms. Our...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

手根管症候群の治療にビタミンB6は効果あり？

手根管症候群は、手首のトンネル（手根管）を通る正中神経が圧迫されることで起こる病気です。手根管症候群の症状としては、手の痺れや痛み、指の運動障害などが挙げられます。手根管症候群の治療には、薬物療法、手術療法など様々な方法がありますが、ビタミンB6の投与も有効であるという報告があります。しかし、ビタミンB6の投与が本当に手根管症候群に効果があるのか、疑問視する声も少なくありません。本研究は、手根管症候群の患者さんを対象に、ビタミンB6の投与効果を調べました。

研究者たちは、手根管症候群の患者さんを対象に、ビタミンB6を投与したグループと偽薬を投与したグループに分けて、症状の変化を観察しました。その結果、ビタミンB6を投与したグループと偽薬を投与したグループとの間に、症状の改善に有意な差は見られませんでした。このことから、ビタミンB6の投与は、手根管症候群の治療には効果がないと考えられます。

ビタミンB6は手根管症候群に効果なし！

手根管症候群の治療にビタミンB6を期待していた方は残念ですが、本研究の結果から、ビタミンB6の投与は、手根管症候群の治療には効果がないと考えられます。手根管症候群の症状が改善しない場合は、医師に相談し、他の治療法を検討するようにしましょう。

手根管症候群の予防と対策

手根管症候群は、手首の使いすぎや、手首の姿勢が悪くなると発症しやすくなります。手根管症候群を予防するためには、手首の使いすぎを避け、手首の姿勢に注意することが重要です。また、手首のストレッチや運動を行うことも効果的です。手根管症候群の症状が出た場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けましょう。

ラクダ博士の結論

手根管症候群の治療にビタミンB6は効果がないことがわかりました。手根管症候群の症状が改善しない場合は、医師に相談し、他の治療法を検討するようにしましょう。手根管症候群の予防には、手首の使いすぎを避け、手首の姿勢に注意することが重要です。手根管症候群の症状が出た場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けましょう。