パニック障害の患者に対するアルプラゾラムおよびイミプラミンによる短期間治療後の3年間の追跡調査

著者: LepolaU M, RiekkinenP J, RimónR H

原題: Three-year follow-up of patients with panic disorder after short-term treatment with alprazolam and imipramine.

概要

中等度から重度のパニック障害の患者55人を対象とした研究では、アルプラゾラムまたはイミプラミンによる治療が、長期的な改善をもたらしました。治療から3年後、参加者の74％がパニック発作から解放され、68％が恐怖回避行動を示さなくなりました。参加者の28％がもはや薬を服用しておらず、20％が精神的な健康上の症状から解放されました。長期にわたって、薬物に対する耐性は観察されませんでした。

論文詳細　

原文の要約 :

Fifty-five patients with moderate to sever panic disorder were treated for 9 weeks with alprazolam or imipramine and were then, except for one patient who had committed suicide, re-examined after on average 3 years of treatment. At follow-up most patients (74%) did not suffer from panic attacks at a...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

パニック障害の長期的な経過を追跡

精神医学の分野では、パニック障害の治療効果を長期的に追跡することが重要な課題です。本研究は、アルプラゾラムやイミプラミンといった薬剤を用いた短期治療を受けたパニック障害患者55名を対象に、約3年間の経過観察を行いました。ラクダ博士が砂漠を旅する際に、様々な景色を目にするように、研究者も長期にわたる観察を通して患者の変化を捉えようとしています。この研究の目的は、パニック障害の治療効果が長期的に持続するのか、また、治療に伴う副作用や耐性などの問題が生じるのかを調べることです。

パニック障害の症状改善と薬物療法の継続

研究の結果、3年間の経過観察後、約74%の患者がパニック発作を経験しなくなったことが明らかになりました。また、当初は87%の患者が恐怖による回避行動を示していましたが、3年後には68%の患者がそのような行動を克服していました。これは、パニック障害の治療効果が長期的に持続し、患者が日常生活を送る上で大きな支えになることを示唆しています。さらに、観察期間中には、約28%の患者が精神薬の使用を中止し、約20%の患者が精神的な病状から完全に解放されました。驚くべきことに、長期的な薬物治療によって耐性などの副作用はみられませんでした。

パニック障害の克服に向けた希望

この研究は、パニック障害に対する薬物治療が長期的な効果をもたらすことを示唆しています。パニック障害に苦しむ患者にとって、この結果は大きな希望を与えてくれるでしょう。ラクダ博士は、砂漠の厳しい環境を生き抜くように、パニック障害の患者も適切な治療とサポートがあれば、克服できることを信じています。

ラクダ博士の結論

パニック障害に対する薬物治療は、長期的に効果が持続し、患者の生活の質を高める可能性があります。ただし、個々の患者にとって最適な治療法は異なるため、医師と相談しながら治療を進めることが重要です。ラクダ博士は、砂漠の広大さを目の当たりにするように、パニック障害の治療も個々の患者に合わせたオーダーメイドで進めることが重要だと考えています。