パニック障害の集団認知行動療法

著者: HannaH H, LaNae JaimezT, LucasJ A, LucasR A, SchmidtN B, TelchM J

原題: Group cognitive-behavioral treatment of panic disorder.

概要

パニック障害の患者67人を対象とした研究では、認知行動療法による8週間の集団治療は、対照群と比較して、有意な改善をもたらしました。治療群の85％が治療後パニックフリーとなり、対照群では30％でした。治療は、不安、広場恐怖、抑うつ、恐怖に対する恐怖などの臨床的に有意な改善をもたらしました。6か月のフォローアップでは、治療群の63％が回復の基準を満たしました。これは、認知行動療法（CBT）は、パニック障害の治療における薬物療法の代替手段として、有効な手段であることを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

The present study examined the efficacy of an 8-wk, cognitive-behavioral group treatment for panic disorder. Patients meeting DSM-III-R criteria for panic disorder with or without agoraphobia were randomly assigned to treatment (N = 34) or delayed treatment control (N = 33). The treatment consisted ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

パニック障害に対する認知行動療法

パニック障害は、突然の強い不安や恐怖発作に襲われる精神疾患です。この研究では、パニック障害に対する認知行動療法（CBT）の有効性を検証しました。DSM-III-R基準に基づき、パニック障害と診断された34人を対象に、8週間のCBTグループ治療を実施し、33人の対照群と比較しました。

CBTグループ治療を受けた患者は、治療後、85％がパニック発作から解放され、対照群では30％でした。また、CBTグループ治療を受けた患者は、不安、広場恐怖、うつ、恐怖の恐怖などの指標においても、臨床的に有意な改善が見られました。この研究は、CBTがパニック障害の治療に有効な方法であることを示しており、薬物療法の代替となる可能性を示唆しています。

パニック障害に対するCBT

パニック障害は、日常生活に大きな支障をきたす病気です。CBTは、パニック発作を引き起こす思考パターンや行動パターンを修正し、患者がパニック発作に対処するスキルを身につけることを目指す治療法です。この研究は、CBTがパニック障害の症状を軽減し、患者のQOL（生活の質）を向上させる可能性を示しています。

ラクダ博士の結論

砂漠では、ラクダは厳しい環境の中でも、様々な方法で生き延びる術を身につけてきました。パニック障害は、まるで砂漠を彷徨う旅人のように、不安や恐怖という厳しい環境に置かれてしまう病気です。CBTは、パニック障害という砂漠を旅する人に、道を照らし、安全に目的地へ導くオアシスのような存在です。薬物療法に頼らず、自分の力でパニック障害を克服したいという方は、CBTを検討してみてはいかがでしょうか。