広場恐怖を伴うパニック障害における暴露への抵抗克服

著者: ContiS, FavaG A, GrandiS, RafanelliC, SavronG, ZieleznyM

原題: Overcoming resistance to exposure in panic disorder with agoraphobia.

概要

最初の暴露療法に反応しなかったパニック障害と広場恐怖の患者21人を対象とした研究では、暴露のみ（E）、暴露とイミプラミンを組み合わせた治療（EI）、暴露と認知療法を組み合わせた治療（EC）の3つの治療法を比較しました。12人の患者が研究中に寛解（パニック発作なし）を達成し、そのうち8人が暴露のみで寛解を達成しました。この研究では、暴露のみは、他の治療法よりも、一部の指標において効果的であることがわかりました。これは、長期にわたる暴露療法は、治療抵抗性のパニック障害の症例の一部で成功する可能性があることを示唆しています。しかし、暴露に反応しない患者は、しばしば薬物療法や認知療法を我慢し、順守することが困難です。

論文詳細　

原文の要約 :

The issue of panic disorder resistant to treatment (whether pharmacological or psychological) has attracted little research attention, despite its clinical frequency and importance. The aim of this study was to compare three treatment modalities, namely exposure alone (E), exposure associated with i...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

パニック障害と広場恐怖症における曝露療法の有効性

パニック障害は、治療に抵抗性がある場合があり、薬物療法と心理療法のいずれも効果が見られないことがあります。本研究は、曝露療法単独（E）、イミプラミンを併用した曝露療法（EI）、認知療法を併用した曝露療法（EC）の3つの治療法を比較しました。研究者らは、長期的な曝露療法が、一部の患者において、パニック障害と広場恐怖症の症状を改善し、寛解に導く可能性があることを発見しました。しかし、曝露療法に反応しない患者は、薬物療法に耐えられず、イミプラミンや認知療法であっても寛解に至る可能性は低いことがわかりました。

曝露療法は効果的だが、すべての人に適しているわけではない

研究では、曝露療法がパニック障害と広場恐怖症の症状を改善する効果が認められました。しかし、曝露療法に反応しない患者もいるため、適切な治療法を選択することが重要です。パニック障害や広場恐怖症の治療には、患者個々の症状や状態に合わせて、様々な治療法を組み合わせることが重要です。

パニック障害と広場恐怖症への理解と対応

パニック障害と広場恐怖症は、日常生活に大きな影響を与える病気です。治療には時間がかかる場合があり、患者本人の努力も必要です。しかし、適切な治療法を選択することで、症状を改善し、日常生活の質を高めることができます。周りの人々も、患者への理解とサポートをすることが重要です。

ラクダ博士の結論

砂漠を旅するラクダは、広大な砂漠を歩くことに慣れていますが、時には砂嵐や猛獣に遭遇することもあります。パニック障害は、砂嵐のように、突然襲ってくる恐怖です。広場恐怖症は、猛獣のように、特定の場所への恐怖心を抱かせるものです。本研究は、曝露療法が、砂漠を旅するラクダのように、恐怖に立ち向かうための有効な手段となる可能性を示唆しています。しかし、ラクダでも砂嵐や猛獣に遭遇する危険性があるように、パニック障害や広場恐怖症の治療には、個々の患者に合わせた適切な対応が必要です。