肺結核の治療における抗結核薬への補助療法としての890nmのヒ化ガリウムレーザー照射の役割

著者: AroraV K, PuriM M

原題: Role of gallium arsenide laser irradiation at 890 nm as an adjunctive to anti-tuberculosis drugs in the treatment of pulmonary tuberculosis.

概要

ガリウム砒素レーザーを用いた低出力レーザー療法（LLLT）は、喀痰からの結核菌のクリアランスを促進するため、結核患者の有望な補助療法となる可能性がある。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Tuberculosis is a global emergency with about nine million people developing disease every year. The long duration of treatment has emerged as a major obstacle in the control of tuberculosis. There is a need for development of new drugs and or shortened therapy. METHODS: The present stu...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

890nmのヒ化ガリウムレーザー照射は、肺結核の治療における抗結核薬への補助療法として有効か

結核は、毎年約900万人が発症する世界的な緊急事態です。治療期間が長いことが、結核の管理における大きな障害となっています。新しい薬物や治療期間の短縮が必要とされています。

本研究は、従来の抗結核化学療法に低レベルエネルギーレーザー療法 (LLLT) を追加することで、何か利益が得られるかどうかを調べるために実施されました。肺結核の新規喀痰塗抹陽性患者130人を、抗結核化学療法と同時にLLLTまたは偽照射 (対照) を受けた2つの群に無作為に分けました。

ヒ化ガリウムレーザー照射は結核菌の喀痰からのクリアランスを早める

抗結核薬と共に半導体レーザーを補助療法として使用した患者は、対照群と比較して、喀痰からの結核菌のクリアランスが早くなりました(P値：45日=0.1392、60日=0.0117、75日=0.00805、90日=0.00739)。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、この研究結果を砂漠の蜃気楼に例えて説明します。結核は、まるで砂漠の旅人を惑わす蜃気楼のように、人々の命を脅かす病気です。ヒ化ガリウムレーザー照射は、蜃気楼を消し去るように、結核菌を退治する効果があると考えられます。ただし、レーザー照射は万能薬ではありません。適切な治療法を選択するためには、医師との相談が不可欠です。