無症状の進行期非ホジキンリンパ腫に対する経過観察と即時全身療法の長期的な効果：無作為化対照試験

著者: , ArdeshnaK M, HancockB W, HoskinP J, Hudson, JelliffeA, LinchD C, MacLennanK A, MarcusR E, NortonA, SmithP, VaughanG

原題: Long-term effect of a watch and wait policy versus immediate systemic treatment for asymptomatic advanced-stage non-Hodgkin lymphoma: a randomised controlled trial.

概要

化学療法は、放射線と組み合わせても、進行した、ゆっくりと成長する非ホジキンリンパ腫の治療法ではありません。この研究では、進行した、症状のない、ゆっくりと成長する非ホジキンリンパ腫の患者において、クロラムブシルをすぐに投与する治療法と、症状が悪化するまでクロラムブシルの投与を遅らせる戦略を比較しました。

論文詳細　

原文の要約 :

Neither chemotherapy with a single-alkylating agent nor aggressive combination chemotherapy cures advanced stage low-grade non-Hodgkin lymphomas, even when combined with radiotherapy. Our aim was to compare administration of immediate chlorambucil treatment with a policy of delaying chlorambucil unt...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

無症候性進行期非ホジキンリンパ腫の治療における待機的治療と積極的治療の比較

進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫の治療法として、待機的治療と積極的治療が検討されています。本研究は、無症候性の進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫患者において、待機的治療と積極的治療を比較したランダム化比較試験の結果です。積極的治療は、症状が出現するまで治療を待機する待機的治療と比較して、生存期間を延長する効果は認められませんでした。

待機的治療は積極的治療と同等の効果

本研究では、無症候性の進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫患者において、待機的治療は積極的治療と同等の効果を示すことがわかりました。この結果は、待機的治療が、積極的治療に匹敵する有効な治療選択肢であることを示唆しています。

患者個々の状態に応じた治療法の選択

本研究の結果から、無症候性の進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫の患者に対しては、積極的治療ではなく、待機的治療を選択することも有効であると考えられます。ただし、治療法の選択は、患者の年齢、病期、合併症などの様々な要因を考慮して、医師と相談の上で行う必要があります。

ラクダ博士の結論

砂漠では、すぐに水を飲まないとしても、必ず水を確保しておくことが重要です。同様に、がんの治療においても、すぐに治療を開始する必要はなく、患者の状態や病状に合わせて治療法を選択することが重要です。本研究は、待機的治療が有効な治療選択肢であることを示唆しており、患者さんの負担を軽減できる可能性があります。