クローン病に対するアダリムマブ単独療法と、アザチオプリンとの併用療法：前向き無作為試験

著者: , EsakiMotohiro, HibiToshifumi, HisamatsuTadakazu, IshidaTetsuya, KanaiTakanori, KatoShingo, MatsuiToshiyuki, MatsumotoTakayuki, MotoyaSatoshi, NagahoriMasakazu, NaitoYuji, NakagawaTomoo, NakaseHiroshi, NojimaMasanori, SuzukiYasuo, WatanabeKenji, WatanabeMamoru, YoshimuraNaoki

原題: Adalimumab Monotherapy and a Combination with Azathioprine for Crohn's Disease: A Prospective, Randomized Trial.

概要

このオープンラベルの前向き研究では、両方の薬剤を初めて使用するクローン病患者において、26週目のアダリムマブとアザチオプリンの併用療法の臨床的有効性は、アダリムマブ単独療法と異ならなかった。しかし、26週目の内視鏡的改善率は、併用療法群で有意に高かった。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND AND AIMS: The efficacy of azathioprine for Crohn's disease under adalimumab treatment remains obscure. METHODS: In an open-labelled prospective study, we evaluated the efficacy of adalimumab with and without azathioprine in patients with active Crohn's disease, who were naïve to biologic...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

クローン病治療におけるアダリムマブ単独療法とアザチオプリンとの併用療法

クローン病の治療において、アダリムマブとアザチオプリンを併用する効果は、砂漠に隠された宝のように、まだ明らかになっていません。本研究は、生物学的製剤とチオプリンを未経験の活動性クローン病患者を対象に、アダリムマブ単独療法とアダリムマブとアザチオプリン併用療法の有効性を比較しました。参加者は、アダリムマブ単独療法群とアダリムマブとアザチオプリン併用療法群にランダムに割り当てられ、52週間の治療を行いました。主要評価項目は、26週目の臨床寛解の達成率でした。また、治療前、26週目、および52週目のクローン病の単純内視鏡重症度スコアも評価しました。

アダリムマブ単独療法と併用療法は同等の効果を示す

合計176人の患者が、アダリムマブ単独療法群（n=85）とアダリムマブとアザチオプリン併用療法群（n=91）にランダムに割り当てられました。非反応者代入分析の結果、26週目の寛解率は、アダリムマブ単独療法群とアダリムマブとアザチオプリン併用療法群で有意な差は見られませんでした（71.8% vs 68.1%；オッズ比0.84、p=0.63）。26週目の内視鏡的改善率は、アダリムマブとアザチオプリン併用療法群（84.2%、n=57）でアダリムマブ単独療法群（63.8%、n=58）よりも有意に高かった（p=0.019）。

健康への影響と日常生活への応用

この研究は、生物学的製剤とチオプリンを未経験のクローン病患者において、アダリムマブ単独療法とアダリムマブとアザチオプリン併用療法は同等の臨床的効果を示すことを示しています。ただし、内視鏡的改善率は、アダリムマブとアザチオプリン併用療法群で高かったことから、併用療法が腸の炎症をより効果的に抑える可能性が示唆されます。クローン病の治療は医師と相談して、最適な治療法を選択することが重要です。

ラクダ博士の結論

クローン病の治療には、さまざまな選択肢があります。アダリムマブとアザチオプリンを併用することで、より良い効果が得られる可能性もありますが、必ず医師と相談して、自分に合った治療法を選びましょう。砂漠を旅する旅人が、安全で効果的なルートを選ぶように、クローン病の治療においても、最適な道を選択することが大切です。