ベダキリンを含むレジメンと多剤耐性結核：系統的レビューとメタ分析

著者: AbadiSahel Shafiee Dolat, BostanghadiriNarjess, GoudarziHossein, HatamiHossein, MesgarpourBita, MiglioriGiovanni Battista, NasiriMohammad Javad, SotgiuGiovanni

原題: Bedaquiline-containing regimens and multidrug-resistant tuberculosis: a systematic review and meta-analysis.

概要

ベダキリンベースのレジメンは、多剤耐性結核（MDR-TB）患者において、広範囲の耐性を示す場合でも、高い培養変換率と治療成功率を示した。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: Multidrug-resistant tuberculosis (MDR-TB) is a life-threatening infectious disease. Treatment requires multiple antimicrobial agents used for extended periods of time. The present study sought to evaluate the treatment success rate of bedaquiline-based regimens in MDR-TB patients. METHOD...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ベダキリン含有レジメンと多剤耐性結核：システマティックレビューとメタ分析

多剤耐性結核 (MDR-TB) は生命を脅かす感染症です。治療には、長期間にわたって複数の抗菌薬を使用する必要があります。本研究では、ベダキリンベースのレジメンのMDR-TB患者における治療成功率を評価することを目的としました。

ベダキリン治療の有効性

2021年3月15日までに発表された論文を対象としたシステマティックレビューとメタ分析が行われました。2,679件の論文がデータベース検索によって取得され、そのうち29件がインクルージョン基準を満たしました。25件は観察研究 (合計3,536人の患者) であり、4件は実験研究 (合計440人の患者) でした。観察研究における治療成功率のプール値は74.7% (95% CI, 69.8-79.0) であり、実験研究における治療成功率のプール値は86.1% (95% CI, 76.8-92.1; p = 0.00; I2 = 75%) でした。出版バイアスの証拠はありませんでした。

MDR-TBに対するベダキリンの期待

ベダキリンを投与されたMDR-TB患者では、広範な耐性がある場合でも、培養陰性化率と治療成功率が高いことが示されました。MDR-TB治療において、ベダキリンは重要な治療選択肢となる可能性があります。

ラクダ博士の結論

ベダキリン含有レジメンは、多剤耐性結核 (MDR-TB) の治療に有効であることが示唆されました。MDR-TBは治療が困難な感染症ですが、ベダキリンを含む新しい治療法の開発により、患者の予後が改善される可能性があります。ラクダ博士は、ベダキリンがMDR-TB治療の選択肢として普及することを期待しています。しかし、ベダキリンは副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って適切な治療を受けることが重要です。