エストロゲンは、無症候性閉経後女性の心理機能を改善する

著者: CraryW G, CristoM, DitkoffE C, LoboR A

原題: Estrogen improves psychological function in asymptomatic postmenopausal women.

概要

エストロゲン治療は、閉経後の女性の生活の質全般を向上させる可能性があり、収入管理と抑うつスコアが改善されるが、記憶力には有意な影響は見られない。

論文詳細　

原文の要約 :

Estrogen treatment of postmenopausal women has been suggested to improve mood and psychological function. However, this remains controversial because previous studies involved heterogeneous groups, were not double blind, and included women who were also experiencing somatic symptoms that were reliev...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

閉経後の女性：エストロゲンが精神状態に良い影響を与える？

閉経後の女性に対するエストロゲン治療は、気分や精神機能を改善するとされています。しかし、以前の研究では、異質なグループが対象となっており、二重盲検ではなく、エストロゲンによって緩和された身体的症状を経験していた女性も含まれていました。本研究では、45歳から60歳の無症状の女性36人を対象に、プラセボと結合型エストロゲン（0.625 mgおよび1.25 mg）の効果を3か月間にわたって二重盲検で比較しました。検査項目には、ミネソタ多面人格目録-168、生活への適応プロファイル、ベック抑うつ尺度などがありました。記憶は、ウェクスラー成人知能検査（WAIS）によって、数字記号と数字広げの両方について直接評価されました。すべての女性は心理的にうまく適応していました。生活への適応プロファイルの収入管理尺度は、エストロゲンによって改善しました（P＜0.05）。ベック抑うつ尺度も改善しました（P＜0.05）。しかし、これらの結果は用量依存的ではありませんでした。WAISによって前向きに評価された記憶は、有意に影響を受けませんでした。これらの結果は、エストロゲン使用が閉経後の女性の生活の質を改善する可能性があることを示唆しています。

エストロゲン治療：閉経後の女性の生活の質改善に期待

本研究では、エストロゲン治療が、閉経後の女性の精神状態や生活の質を改善する可能性があることが示唆されました。エストロゲンは、気分や抑うつ症状の改善、生活への適応能力の向上に役立つ可能性があります。しかし、エストロゲン治療は、すべての女性に適しているわけではありません。また、副作用のリスクもありますので、医師と相談の上、適切な治療法を選択することが大切です。

ラクダ博士の結論

閉経後の女性は、ホルモンバランスの変化によって、精神的な不安定さや抑うつ症状を経験することがあります。エストロゲン治療は、これらの症状を改善する可能性があり、生活の質を向上させるのに役立つかもしれません。しかし、エストロゲン治療は、すべての女性に適しているわけではありません。副作用のリスクもありますので、医師と相談の上、適切な治療法を選択することが大切です。